FXの大きなリスクの一つに急激な値動きがあった時、ロスカットも間に合わず損失額が大きく膨らむというのがあります。
ハイレバレッジを効かせて取引を行うので思わぬ一瞬で莫大な損失が出ることもあり、強制決済しても借金が残ることがあるのです。
しかしXMを始めとする海外FX業者は急激な相場変動の際、ロスカットが間に合わなかった場合でも後から借金が残らないように調整してくれる機能があります。
XMでは、ゼロカットと呼んでいるこのありがたい機能とその注意点についてここでは説明いたします。
- ゼロカット・ロスカットとは?
- 国内FXとのゼロカット・ロスカットの違い
- ロスカットされない証拠金維持率
- ゼロカットが発動されない時の対処法
ゼロカット・ロスカットとは?
ゼロカットとは?
XMのゼロカットシステムとは、トレード中損失が大きくなり、口座残高がマイナスになった場合でも口座残高をゼロに再設定してくれるというシステムです。
損失の最大額が口座に入れている資金額に限定されることになるので、トレードのリスクを大きく軽減できます。
ゼロカットシステムについては、XMのホームページにもはっきり明記されています。
ちなみに、ゼロカットとマイナス残高リセットは同じ意味です。
ロスカットとは?
ロスカットとは、たいていどこのFX業者にもある強制決済で損失が膨らみすぎないようにするシステムで、XMの場合は証拠金維持率が20%を切ったら発動されます。
たとえば、XMのFXのレベレッジは888倍ですから、ドル円を1万通貨でエントリーするには、1ドル110円で簡単に計算すると110円×10000通貨÷888=約1239円の証拠金が必要です。
仮に、10000円の資金が口座にある場合
1239円の20%は約248円
10000円-248円=9,752円の損失が出た→強制決済
口座には248円以下の金額が残る
ロスカットはこれ以上損失が拡大すると資金がなくなってしまうのを避けるための強制決済で、ゼロカットは万一赤字になった時にトントンに戻してくれる調整制度と思ってもらってかまいません。
XMのゼロカットは全取引口座に対応
XMでは、為替もさまざまなペアがあります。また為替以外にも原油や金などの商品や、株価指数などのCFDと呼ばれるものもありますが、全ての取引にゼロカットシステムが対応しています。
値動きの激しい原油などの取引も損失を口座資金内に限定することができるので、その分リスクも低くなっているのです。
国内FXとのロスカット値幅の違い
ゼロカットシステムは海外FXならではのシステムなので、国内のFX業者にはありません。
日本の法律では損失の補填につながるシステムを使うことが許されていないので、口座内の資金を超えた損失もトレーダーがすべて負担することになります。
日本の法律が適応されていない海外だからこそできるのがゼロカットシステムです。
ゼロカット・ロスカット国内業者と海外業者の比較
ロスカット率 | ゼロカット有無 | |
海外業者 | 20%が多い | あり |
国内業者 | さまざまだが、100%の業者も多い | なし |
海外FX業者はゼロカットシステムがあるので、そもそも自己資金の範囲内で損が出る分は自己責任という考え方です。
それでもゼロカットになると実質XMが損失を補わないといけないので、その手前の20%ぐらいのところにロスカット率を設定しているのだと思います。
業者もできることなら、損失補填避けたいですから。
反対に、国内FX業者はあくまで投資家の資金が大きく減ったりしないように監督各省庁の指導を受けているのでしょう。
なるべく損を膨らまさないようにという考え方で、システムの趣旨が海外FXとは異なります。証拠金維持率が100%を切ったらロスカットする業者が多いのも、そういう違いがあると思います。
相場の急変リスク
比較してみると国内業者の方が投資家思いのように見えます。しかし、ゼロカットシステムがあるとありがたいことが多いのもFXの世界です。
その一例として、挙げられるのが、2015年1月のスイスフランショックです。
当時スイスの中央銀行がユーロに対するスイスフランの値上がりを抑えるため、1ユーロ1.2スイスフランを維持する無制限介入を宣言していました。
トレーダーの多くは一抹の不安をもちながらも1ユーロ1.2スイスフランまでユーロ安になると、ユーロ買いでエントリーして値上がりしたら決済するというオペレーションを繰り返していました。
しかし2015年1月15日、突如スイスは介入撤廃を宣言します。
この時、わずか5分間で1600pipsもスイスフラン高に動きました。ドル円で言えば、5分で16円も円高になったといえば、凄さがわかると思います。
これほど動きが激しいとロスカットも成立しません。国内業者の口座で取引していた人の中には値動きが急すぎてロスカットが作動せず、証拠金がゼロになりさらにマイナスになって初めて強制決済になった人も多くいました。
有名トレーダーの中にも、数百万の借金(損失ではない)をかかえた人もいました。(同様なことが、東日本大震災の時の相場の急変時にもあったそうです。)
ゼロカットの必要性
スイスフランショックの時、国内FX業者とちがい海外FX業者ではゼロカットが執行されていました。
ただゼロカットシステムがあるはずの海外業者の中にも、スイスショックの時はあまりに補填する額が多くなり、国内業者同様マイナス分についてトレーダーに追加証拠金を請求した業者もいました。(老舗業者のFXDDなどです。)
しかし、XMについては通常のケース同様にゼロカットシステムが適用されました。下はその時のXMのアナウンスです。
XMから追加証拠金が請求された人はいないそうです。
- 資金30万円で、急激な値動きで50万円の損失が出たとき
- 資金を超える20万円の損失はリセット
- 損失は実質30万円
国内業者の場合、資金以上の損失分20万円は投資家側の借金となり、追加証拠金(通称「追証」)の振り込みを要求されます。もちろん、投資資金の30万円はなくなったうえに借金をすることになります。
なぜ、海外業者はゼロカット可能なのか?
もちろんゼロカットが法律で禁止されていないから可能なのですが、それ以外にも損失を補填できる収益力・財務力があるのも大きいでしょう。
なぜなら先ほどのようにふだんのケースならゼロカットできてもスイスフランショックのように巨額の補填が必要な場合には、ゼロカットを放棄する業者もあるからです。
この点でも、XMは非常に頼りがいのあるFX業者であることがわかると思います。
XMでロスカットされない証拠金維持率
XMではほとんどの通貨ペアが最大レバレッジ888倍なので、証拠金維持率が100%を割り込む時点でかなり損失額が膨らんでいるケースが多いです。
たとえそこからロスカットラインの20%までいかずに損切ったとしても、半分を大きく超える資金を失えば元の状態に戻るのは至難の業になっています。
トレード手法によって目安とする証拠金維持率はちがいます。
デイトレード・スキャルピング | 300%以上 |
スイングトレード | 1000%以上 |
目安とする証拠金維持率を割り込んだ時にストップがかかるように、逆指値注文を入れてロスカット対策をしておくと安心です。
国内業者と違って海外業者のロスカットは口座資金がゼロになる手前でのカットという意味合いがあるのは説明したとおりです。
ロスカットされるときは財産の9割前後は失っているはずなので、くれぐれもかなり余裕のある証拠金維持率でトレードしましょう。
ゼロカットを実行させる方法
XMのゼロカットは早くて即日・遅くても2~3日以内には行われますがタイミングはまちまちです。
XMが口座をサーチしていくなかで、証拠金がマイナスになっている口座を発見し次第ゼロカットを行っているようです。
場合によれば、早くゼロカットして欲しい時もあるでしょう。そのような時、XMの発見を待たずに、ゼロカットしてもらう方法があります。
それは追加入金することです。入金の処理をする時にXMが口座の状態を見て、証拠金がマイナス状態になっていたら即座にゼロカットしてから入金処理をしてくれます。
たとえば口座内の資金が-200,000円になっている場合に300,000円入金すると、マイナス分がリセットされてから入金が処理されるので口座残高は30万円になります。
気を付けないといけないのはボーナスが残っている場合です。ボーナス分はゼロカットの対象にはなりません。
たとえば、資金が-200,000円で、ボーナスが50,000円ある場合は、差し引き150,000円分ゼロカット対象になります。
ボーナス分は全て没収されるのでご注意ください。早くゼロカットして欲しい時は少額でもいいので入金するのが早いです。
他にもサポートセンターに連絡する方法もありますが、入金する方が早いことが多いです。
XMのゼロカット事例
ゼロカットは損失が出れば必ず発動するシステムではありません。
XMでは口座開設ボーナスや入金ボーナス・ロイヤルティプログラムのボーナス分がある場合は先に損失に当てられるシステムになっています。
実際にどのようにゼロカットされるのか事例でご紹介します。
ボーナスが口座にない場合
口座残高がマイナス100,000円で10,000円入金した場合
ボーナスがあり証拠金マイナス分より少ない場合
口座残高がマイナス100,000円でボーナスが30,000円あり10,000円入金した場合
ボーナスがあり証拠金マイナス分より多い場合
口座残高がマイナス100,000円でボーナスが120,000円あり10,000円入金した場合
XMのゼロカットについてのまとめ
XMのゼロカットの仕組みについてご説明しました。
国内FXと比べて複雑そうに感じる人もいるかもしれませんが、しっかりと理解できればシンプルなシステムだということが分かるはずです。
何より投資資金を超えて借金するリスクが無いというのは大変心強いシステムといえます。
一方でゼロカットがある分、海外FX業者のロスカットライン(最低証拠金維持率)は国内業者に比べてかなり低く設定されています。
低リスクでトレードをするなら海外FXのXMがおすすめです。